シャープレシオ


システムトレードを考えていく上で知っておきたい重要な指標に
シャープレシオというものがあります。

これはノーベル経済学賞を受賞したウィリアム・フォーサイス・シャープ博士が考案したもので、もともと投資ファンドなどを評価するのに用いられる指標です。

簡単に言えばリスクとリターンのバランスを見るもので、
リスクに対する利益の大きさ、つまり投資の運用効率を計る指標です。

シャープレシオは一般に以下の計算式で求められます。

シャープレシオ={(収益率)-(無リスク資産の収益率)}÷リスク

シャープレシオの値が大きいほど運用効率が高いことになります。

無リスク資産とは銀行預金などの元本保証利率です。

収益率は過去の運用利率(リターン)のことで、

リスクはこの収益率の標準偏差です。

標準偏差とは「ばらつき」などを表す数値で、この場合は収益率のブレ幅を意味します。
ちょっと分かりにくいと思いますので、具体例で説明します。

過去の運用成績(リターン)が20%で、標準偏差(リスク)が10%の投資ファンド。

このファンドは結果として20%の成績でしたが、
その過程でブレが10%あったことを意味します。

20%のリターンに対して上下に10%のブレがあった、つまり

  • マイナスの場合は10%
  • プラスの場合は30%

ということになりますね。

そして統計学上この10~30%に入る確率が68%になります。

さらにこの標準偏差を2倍にします。
つまり標準偏差20%ということですが、この場合20%のリターンに対して

  • マイナスの場合は0%
  • プラスの場合は40%

になりますね。

この0%~40%に入る確率が95%になります。

このファンドの収益率は10%だった訳ですが、
ある時点においては統計学上95%の確率で0%~40%の範囲にあったことになります。

つまり非常に高い確率で、ある時点では
0%になっていた可能性もあり、
40%という高い成績を出していた可能性もある
ということになります。

はい・・・頭が痛くなってきましたね。
これをどうやってシステムトレードに活用するのでしょう。

シャープレシオの解釈はいろいろとあります。

ここでは難しい計算式などは覚えなくていいので、大まかな意味をご理解頂くことと、
システムトレードの評価に利用することに絞って話しを進めたいと思います。

まずシャープレシオの意味をファンドの例で見てみましょう。

一般的に投資をする場合、そのリターン(利回り)にまず注目しますね。
でもリターンが大きいだけでは必ずしも良い投資商品とは言えません。

どれだけ大きなリターンであっても、
非常に大きなリスクを背負っているかも知れないからです。

このリターンとリスクのバランスを見るのがシャープレシオと言うことになります。

例えば・・・

Aファンド : リターン20% リスク20%
Bファンド : リターン20% リスク10%
Cファンド : リターン15% リスク5%

※ここでは「無リスク資産の利率」は0として考えないものとします

これら3つのファンドを比較すると、AとBのリターンは同じです。
CのリターンはA、Bよりも5%低いですね。

それぞれのシャープレシオを見ると・・・

Aファンド : 1 (20÷20)
Bファンド : 2 (20÷10)
Cファンド : 3 (15÷5)

となり、
同じリターンのAとBではBのほうが運用効率が良く、
Cが最もバランスがよく上手な運用であると分かります。

システムトレードでは主に複数のシステムの優劣を比較するのに利用されます。

トレードシステムもシステムによってリターンが違いますね。
そして、同じようにリスクもそれぞれ違います。

いくらリターンが大きなシステムでも、
リスクも大きければ損害を受けた場合のダメージも大きくなり、
リターンだけではシステムの優劣は計れませんね。

システムトレードでは
大きく儲けるかもしれないが大損するかもしれないシステムより、
リスクを軽減し安定して収益を出すバランスのよいシステムのが
一般に優秀とされています。

システムのシャープレシオを把握し比較することで、
システムの安定性と効率という本来最も重要な要素を知ることが出来るわけです。

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