ボリンジャーバンドは意味がない・・・のか?

今回は少しアカデミックな記事を書いてみます。

分かりやすするため、かなりザックリ説明をするので、
詳しい方はあまり突っ込まないで下さいね^^;


さてさて。

昔からある金融理論の多くは、「正規分布」を前提に成り立っています。
テクニカル指標の大御所「ボリンジャーバンド」も、この正規分布をそのまま使ったものです。

正規分布というのは、何かしらのデータの統計を取ったときに
[box_b]

  • 平均値に近いデータが多くて
  • 平均値から離れたデータほど少なくなっていく

[/box_b]という散らばり方をしていることです。

グラフにするとこんな感じです。
正規分布のグラフ1

例えば、
学校のテストの平均点が60点だったとして、
[box_b]

  • 60点の生徒はたくさんいるけど
  • 0点とか100点とかの生徒はあんまりいない

[/box_b]というようなことです。
(実は偏差値も正規分布を仮定して計算されています)

そして、“平均からどれだけ離れているか”を表すのが、
ボリンジャーバンドでも使われている「σ(シグマ)」です。

もし正規分布になってるとするなら、
[box_b]

  • 「-1σ~ + 1σ」の間に68%
  • 「-2σ~ + 2σ」の間に96%
  • 「-3σ~ + 3σ」の間に99%

[/box_b]のデータが収まってることになります。

正規分布のグラフ2

ボリンジャーバンドも正規分布を仮定していますから、
2σを超えるような派手な値動きは4.5%位しかないので、”異常”といえます。

なので、
[box_b]

  • -2σより下がったら買い
  • +2σより上がったら売り

[/box_b]という逆バリ戦略が考えられたりします。

”異常は正常に戻るはずだ”と考えているわけですね。

正規分布なんかじゃなかった!

ところが、、、
比較的新しい「経済物理学」という学問(経済を物理学で解明しようとしてます)の研究者が、
為替レートの値動きのデータを調べてみると、

”値動きは正規分布になってない”

ということが発覚してしまいました。

実際は、正規分布ではなく「べき分布」というものになっているそうです。

無理やりグラフにするとこんな感じです。

正規分布のグラフ3

ここで注目して欲しいのは端っこの部分です。
べき分布の端っこは正規分布に比べて長くて分厚いですよね??

これ「ファットテール(太いしっぽ)」とか呼ばれているのですが、
つまり正規分布では異常値のはずのデータも、べき分布的にはそうでもなくて

”5σとか6σとかもワリと出るよ”

という恐ろしい話です。

ボリンジャーバンドとは何だったのか・・・

ボリンジャーバンドは意味がないのか?

じゃあボリバンは使えないのかというと、そんな事はないと思います。

テクニカル指標は「みんなが使うから機能する」という側面もあるので、
これだけ有名なボリンジャーバンドには意味があるのでしょう。

とはいえ、上で書いた「2σはタッチで逆張りエントリー」みたいな単純なものは
根拠が破綻してるのでやめた方がいいかと思います。実際、それでは勝てませんしね。

もっとも、ボリンジャーバンドの開発者の人も、
べき分布とは言わないまでも正規分布になっていないことは分かっていて、
「実際に±2σに納まるのは88~89%」としているそうです。
MaestroFXをお持ちの方は、第7講です)

ずいぶん長くなってしまいましたが、こういう話もたまにはいいかと書いてみました。
需要があればまた書きたいですが、、、あるのでしょうか?

参考文献

『経済物理学の発見』 高安秀樹 (光文社新書)
『歴史は「べき乗則」で動く』 著:マーク・ブキャナン 訳:水谷 淳 (早川書房)

2件のコメント

  • 匿名

    べき乗分布に従うボリンジャーバンドみたいなテクニカル指標はありますか?

    • 雨宮

      ちょっと知らないですねー。
      というか興味が無いので調べたことがないです。すみません。

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